ブログ

Kinarino Column~東京近郊の建築とガーデン~

  • photo
    皆さんこんにちは。
    キナリデザインの立川です。
    毎日とても暑い日が続いておりますが、皆さん体調はいかがでしょうか。

    さて今回は、タイトルにありますように東京近郊の建築とガーデン(緑化)について気にしてみようと思います。
    まずは言わずと知れた東京駅。
    東京駅は日本の代表的な駅の一つで、その建築には興味深い歴史とデザインがありますね。
    東京駅は1914年に開業し、その後、大正時代の洋風建築の象徴として建てられました。設計者は辰野金吾という有名な日本の建築家で、そのデザインは当時の日本と西洋の文化を見事に融合させたものです。

    駅舎の中央には、高い丸いドームと時計塔が特徴的な「丸の内駅舎」があります。このデザインは、ヨーロッパの古典主義建築の影響を受けていますが、日本独特の装飾や細部のデザインが取り入れられています。

    また、東京駅は戦後の復興期にも改修され、特に1960年代の再建では、駅前広場や周辺のビル群も整備されました。現在の東京駅は、その歴史的な価値とともに、機能的で近代的な設備を兼ね備えた交通の要所としても重要な存在です。
  • photo
    次はこちらの公民館か何かの施設だと思われる建物。
    焼き杉板を使用した伝統的な和風建築。
    特に、黒く塗られた下見板張りの外壁が印象的で、これは雪国や寒冷地に多く見られる仕上げです。
    外壁の板を横ではなく縦に張ることで、雨水を効率的に流す構造となっており、板には「焼き板」処理がされている可能性があります。焼き板は防腐・防虫効果があります。

    腰壁部分は石材または擬石仕上げになっており、雨跳ねなどの汚れを防ぐ意匠と実用を兼ねています。

    建物の窓格子も木製で、昔ながらの「格子戸」のような意匠です。通風・採光・防犯を兼ねた伝統的なデザインです。

    そして、道路境界までのわずかなスペースに、しっかりと緑地帯が設けられています。建物に沿って設けられた細長い前庭(いわゆる“坪庭”のような使い方)があり、自然石を縁石として配置し、砂利敷きがされています。これは雑草抑制と排水のための処理です。
  • photo
    この写真に写っているのは、現代的なデザインの店舗と和モダンな植栽空間が融合した、とても洗練された街角の景観です。
    外壁はガルバリウム鋼板かサイディング系のパネルで仕上げられており、文字ロゴが大きく描かれていることから、カフェやベーカリーなどの商業施設ですね。

    大きなガラス張りの開口部があり、内外のつながりを意識した設計。ナチュラルな木材の柱と組み合わせることで、柔らかく温かみのある印象を与えています。
    敷石の舗装は自然石の御影石や洗い出し仕上げのような質感。歩く動線を意識しながら、素材の風合いを活かしています。

    敷地と建物の隙間を有効活用した細長いアプローチ空間に、自然石の飛び石風舗装、中木・低木の植栽、そしてライティングが施されており、非常にバランスの取れた和モダン外構です。

    足元の照明(グランドライト)は植栽を下から照らす演出。夜間には木の影が壁面に映り、視覚的に豊かな景観をつくります。

    縁には自然石をランダムに並べて水はけと意匠を両立。歩道との境界をナチュラルに繋いでいます。
  • photo
    こちらはやはり都会の中心地。
    都市部の飲食店の前面植栽スペースで、スタイリッシュで洗練された雰囲気を演出するために計算されたデザインとなっています。
    目立つ高木はオリーブの木。
    細長い銀葉が特徴で、地中海風の雰囲気を醸し出す定番樹種。
    耐乾性があり、都市環境でも育てやすいため、カフェ・レストランの前庭などで非常に人気があります。
    樹形が自然で、剪定によってオープンで軽やかな印象に保たれています。

    花壇からこんもりと垂れ下がっているのは、ワイヤープランツ。丸く小さな葉が連なり、ナチュラルで柔らかい印象を与える植物。
    日陰にも比較的強く、屋外の軒下でも育ちやすいので、個人宅でも育てている方は結構いらっしゃいます。
  • photo
    こちらの大きな階段の両側にも、緑化を意識した設計が取り入れられています。
    恐らくツゲだと思われますが、よく見る生垣以外にもこんな使い方があるのですね。
    ツゲは整った樹形を保つことで、非常に見栄えが良くなります。
    特に庭や生垣として利用されることが多いツゲは、定期的な剪定によって美しい形を維持することで、全体の景観を引き立てます。

    また、剪定を行うことで枝葉が密集しすぎるのを防ぎ、適度な透かしが入ることで風通しが良くなり、光も取り込みやすくなります。
    これにより、病害虫の発生を抑える効果もあります。
  • photo
    個人的にお気に入りの1枚。
    ヨーロッパの街を彷彿とさせる石造りのアーチの建物。
    1. 石積みの外壁
    使用されているのは花崗岩(御影石)と思われる荒削りの石材です。重厚で耐久性に優れ、近代建築でよく使われました。
    表面を「割肌仕上げ」にしており、粗さを残すことで荘厳な印象を与えます。
    2. ロマネスク様式のアーチ
    写真の中央に見えるのは、ロマネスク様式に見られる半円アーチです。厚みがあり、開口部が狭く見える構造で、ヨーロッパ中世の教会建築に着想を得た意匠です。
    アーチの内側には、石材の段を重ねたような装飾も見られます。
    3. 小窓と丸い照明
    細長いスリット窓とその奥に見える照明がモダンさを感じさせ、昭和初期から戦後にかけてのモダン建築を思わせます。
    4. 装飾性の控えめさ
    全体的にシンプルながら、石材の積層やアーチの曲線で装飾性を出しています。これは日本の近代オフィスビル建築の特徴で、機能と格調を両立しています。

    このような建物は「歴史的意匠の保存と都市の再開発の融合」という観点から、再評価されています。写真のように、アーチや石壁の一部がモニュメント的に保存されているケースも多く、都市景観としての価値を持ち続けています。
  • photo
    次はこちらの1枚。
    都内のアパレルショップですが、はやりの黒い壁の建物際にも、いくばくかの緑地帯が。

    素材と仕上げ:外壁は黒系の塗装仕上げで、木目調の型枠コンクリートまたはテクスチャー付き左官材のような意匠が施されています。これにより、無機的になりがちな黒壁に表情が生まれています。
    重厚感・モダンさ・個性があり、ファッションやデザイン系の店舗との相性が良い仕上げです。都市部の洗練された店舗でよく見られるスタイルです。
    建物と歩道の間に設けられた狭小な植栽帯ですが、無機質な空間に自然のゆらぎを与えています。

    植物の種類としては、写真中央に写る細く枝が分かれる植物は、ワイヤープランツまたはロータスグレイなどの乾燥地適応型・低木。
    手前左側にはローズマリーらしきハーブも見えます。常緑で強く、香りもあるため人気です。
    他にもシルバーリーフ系の植物が多く、彩度を抑えた色合いで、黒壁とのコントラストが効いています。

    自然石(花崗岩系)が添えられており、ローメンテナンスで景観的なアクセントとなっています。

    更に、グラウンドカバーとしてコケや小さな草花が自然に混在し、ナチュラルで無造作な印象を演出しています。
  • photo
    和食屋さんの軒先で見つけた小さなお庭。
    都会の雑踏の中でほっと癒されます。
    ハランとタマリュウでしょうか。
    和風の縦格子戸にシックな濃いめの緑がよく合います。
    そういう季節だったのか、栗の毬がさりげなく置いてあるのも粋ですね。

    この空間は、通りに面した狭小スペースを美しく整えた和風の植栽空間で、「坪庭」や「前栽(せんさい)」と呼ばれる伝統的な庭の様式を踏襲しています。狭いながらも自然の美を取り入れる工夫が凝らされています。

    このような空間は「余白の美」や「間(ま)を活かす美学」という、日本建築や庭文化の中核をなす価値観に根差しています。
    商家や町家、料理屋の玄関などでよく見られ、来客を迎える心の表現でもあります。
  • photo
    「千葉商船株式会社」の事務所および共同住宅として、2018年(平成30年)10月竣工されました。設計は松本睦氏が担当し、施工は岡建工事株式会社によるもの。

    外観は鉄筋コンクリート壁式構造で、昭和初期の洋館を模倣したものであり、アールデコ調の意匠が特徴的。敷地形状に合わせて角を大きく丸めた曲面形状が都市景観に調和しています。
    佐原の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に新築された例としては非常に珍しく、歴史的景観に配慮した現代建築の好例とされます。煉瓦造のレトロな地元建築と並んでも違和感なく溶け込んでおり、街の中で「昔からあったように見える」という評価も多くあるようです。
  • photo
    こちらは千葉県での1枚。
    壁面緑化のアイディアとしておなじみのバラとクレマチス。
    建物のオータムブラウンとの相性も良く、とても爽やかに見せてくれます。
    バラもクレマチスも多種あるので、好きな種類を見つけられたら是非購入してみてくださいね。
    思っているより難しくないようです。

    今回のお話はここまで。
    皆さんの参考になれば幸いです。

    ++++++++++++++++++++
    千葉、千葉市の新築外構・外構リフォーム・お庭ならおまかせください。
    キナリデザインは外構・ガーデン・エクステリア専門のデザイン事務所です。
    あなたのためにオンリーワンのガーデンデザインをご提案いたします。

    施工実績では千葉県内を中心に行った新築外構・エクステリア・ガーデンの当社実例をご覧いただけます。創業より40年以上の歴史を誇る多田工業(株)と共に、責任を持って施工いたします。
    ++++++++++++++++++++
Page TOP
お電話でのお問い合わせ メールでのお問い合わせ